永昌院

長良川を一望する静かな山寺 関市下有知、龍泰寺の鰲山正雪大和尚によって開山、創建後340年の歳月を経ている。本尊は「廣大霊感観世音菩薩」と称し、霊験あらかたな仏様として、また平安末期の作と伝わる弘法大師を祀っており、厄除け大師として地域の厚い信仰を集めている。また、山門脇に像高70cm、亨保二年（1717年）と刻まれたお地蔵様が祀られているが、この地は、旧街道の安毛坂と呼ばれ、牧谷の人たちにとっては昔から重要な通路であったことから、道中の安全を願ったものと思われる。清流長良川に架かる新美濃橋から北へ500ｍ、山門の前には梅林、手入れの行き届いた境内には桜の木々が立ち並び、春ともなれば本堂を背景にきらびやかな光景に目を奪われる。眼下には田畑が広がり、その先を長良川がゆったりと流れる。落ち着いた静かな山寺である。