青銅誕生釈迦仏立像

本像は平成14年(2002)実施の周防国府跡第136次調査（国衙4丁目）において、直径17センチメートルの穴の中に置かれた状態で出土した。埋納されていたと思われる。 総高9.8センチメートル、像高5.5センチメートル、重量56.0ｇ。材質は青銅で、銅を中心に錫10％程度、鉛3％程度、微量のビスマス・銀・ヒ素を含む。全体的に腐食が激しく、左手の肘以下が折損する。頭部は肉髻相を示すが、若干仏像の中心線より右側にずれる。顔は鼻と左耳だけ認識できたが、それ以外の部分については判断できない。上半身は裸身、反り身で腹部をやや前方に出す。天を指す右手はほぼ直上に五指を揃えて伸ばす。左手については肘をわずかに曲げ、裳の中央部にほぼ接していたものと考えられる。制作は奈良時代と考えられる。 文化財 防府市指定有形文化財